青山はなぜ絶妙のタイミングで佐藤の動きにあわせパスを出せるのか

小さくても、勝てる。

J1最終節。サンフレッチェ広島が鹿島アントラースに快勝し、前節まで首位だった横浜F・マリノス川崎フロンターレに敗れたため、勝ち点で逆転し2年連続の制覇を決めました。
横浜F・マリノスは過去に何度も優勝していますが、中村俊輔選手はリーグ制覇の経験がありません。それだけに、優勝への思いが強かったはずです。

サンフレッチェ広島のキャプテンであり、エースストライカ佐藤寿人選手の著書『小さくても、勝てる。』に、こんなエピソードがあります。

2007年、日本代表の欧州遠征の時、佐藤寿人選手は、中村俊輔選手から呼び止められ、こう言われました。
「お前は動き出すタイミングをパスの出し手に合わせすぎている。もっと自分の動きたいタイミングで動き出していい。FWからプレーを発信するんだ。
オレの動きを見てからお前が動いたのでは、もっとレベルの高い相手と対戦したときには読まれてしまうし、止められてしまう。だから、ヒサのほしいタイミングで動き出してくれていい。そこにオレがパスを通すから」
この言葉は、佐藤寿人選手の心にずしりと響き、サンフレッチェ広島に戻ると、すぐにこの話を青山敏弘選手に伝えました。

今シーズン、佐藤寿人選手に最も多く球を供給したのは、他ならぬ青山敏弘選手。
ある意味、二人は中村俊輔選手に恩返しができたのかもしれませんね。

本・コミック: 小さくても、勝てる。/佐藤寿人:オンライン書店Honya Club com